筋トレで鍛えた筋肉は使えないのか

筋トレで鍛えた筋肉は見せ筋。
だからスポーツなどでは役に立たない使えない筋肉だ。
…というような意見を目にしたり聞いたりしたことがある方は多いと思います。
今回は使えない筋肉について述べようと思います。

目次
筋トレで鍛えた筋肉は使えない筋肉?
1.筋トレの大前提
2.使える筋肉にするには―バリスティックトレーニング
3.さらに競技へ活かす
4.それなら競技動作に負荷をかけるのは?
結論


筋トレで鍛えた筋肉は使えない筋肉?

1.筋トレの大前提

まず知っておくべきなのは、筋トレというのは筋肉を安全に効率的に鍛えることに特化した動きです。
競技動作とはかけ離れた動きになります。
だから筋トレをしたからといって、スポーツが上手くなるわけではありません。
逆にスポーツで筋肉はある程度つきますが、筋トレほど効率良くつくことはありません。
スポーツをしたからといってムキムキになるわけではないわけです。


2.使える筋肉にするには―バリスティックトレーニング

筋トレで筋肉を大きくしたら、瞬間的に力を発揮させるトレーニングを取り入れたりします。
競技動作では瞬間的に力を発揮させる必要があるため、トレーニングも競技動作に近い筋力発揮の仕方にしていくのです。
決して競技動作と結びつけるわけではなく、単に瞬発力を意識したトレーニングにするだけです。
これはバリスティックトレーニングといって、力の発揮をグラフにすると放物線を描くような形になるもので、一気に筋力を発揮して一気に脱力します。
つまり筋肉を緊張させ続けるトレーニングではなく、瞬間的に筋力発揮したらあとは筋肉への負荷は抜けるような挙げ方(慣性で挙げる)になります。

例えばジャンピングスクワットがそうですね。
ジャンプする時は瞬間的に強い筋力が発揮されますが、ジャンプして着地するまでは完全に負荷が抜けています。
筋肉を大きくするには効率が悪いですが、瞬間的にはとても大きな力が発揮されているので、筋肉の立ち上がりを良くするにはとても効果的です。

ジャンピングスクワット

しかし、瞬発的な筋力を高める効果は高いのですが、絶対的な筋力を高める効果はそこまで高くありません。
絶対的な筋力を高めるには、やはり重たい重量で行う通常の筋トレが有効です。
筋量が同じままだと筋力の伸びにも限界があるので、筋肉を大きくしていくのは大切なことです。
体重制限のあるスポーツでは難しいかもしれませんが、そうでないなら筋肉を大きくするトレーニングとバリスティックトレーニングを並行していったほうが良いと思います。

腕立てジャンプも代表的なバリスティックトレーニング

3.さらに競技へ活かす

こうして筋肉の能力を高めたうえで、基礎的な競技動作の練習を行うようにします。
この繰り返しで競技動作をより素早く、より力強く行えるようになるのです。
とにもかくにも最終的には競技の技術練習が大切になってくるので、ここを怠ってしまうとただの体が大きい人になってしまいます。
体が鍛えられているのに技術練習をおろそかにしている人を見たとき、おそらく「筋トレで鍛えた筋肉は使えない」と捉えてしまうのでしょうね。

運転に例えると分かりやすいと思います。
筋トレで筋力を上げるということは、エンジンの馬力を上げるということです。
そしてその馬力の上がったエンジンをどう扱うかは、運転手次第です。
即ち技術練習をこなさないと、馬力の上がったエンジンですら通常のエンジンのように扱ってしまう(扱うことしか出来ない)ということです。

エンジンの馬力が上がっても、運転技術が未熟ではその性能を活かせない

4.それなら競技動作に負荷をかけるのは?

競技動作について言うと、競技動作そのものに負荷をかけるべきではないです。
例えば野球でいつもより重いバットで素振りをしたり、ボクシングで鉄アレイを持ってシャドーをしたりといったものですね。
競技動作は筋トレとは違って不安定な動き(筋力を上げるのに特化していない動き)になるので、ちょっとした重さの違いで障害に結びついてしまうことがあります。

また、重い物を持つとフォームが変わってしまったり、普段の競技動作では負担がかからないような場所に負担がかかってしまう可能性もあります。
何も持たないシャドーボクシングと10kgのダンベルを持ったシャドーボクシングでは、明らかに動きが変わってしまいますよね。
10kgのダンベルで行う人はいないでしょうが、競技動作に負荷をかけると10kgのダンベルで行う動きに近づいてしまいます。
例え軽くてもダンベルを握るために前腕などに力が入ってしまい、本来の動きとは少なからず違ってしまうでしょう。
本来の動きとは違ってしまうということは、技術的に下手くそになるということです。
これでは練習の意味がなくなってしまうどころか逆効果です。
現状維持ではなくマイナスに向かうことになるので、
競技動作に負荷をかけるのは行うべきではありません。
筋力トレーニングと競技動作の技術練習は別物として考えましょう。


結論

結論を言うと、使えない筋肉なんていうものは本来はありません。
競技に合わせた筋力発揮のトレーニングをしていない、もしくは単に競技の技術が未熟な人がいるだけです。

「ボディビルダーの筋肉は見せかけの筋肉だ」と言う人がいますが、ボディビルというのは人に見せる競技なのでそれでいいのです。
競技に特化した筋肉なので何の問題もありません。
しかし、野球のための筋肉を鍛えた人がサッカーを始めても、競技に特化していない筋肉になるのであまり意味がありません。
しかもサッカーの技術もないので、体つきの割に動きの悪い人に見えてしまします。
鍛えた筋肉を使えるものにするのか、使えないものにするのかはあなた次第というわけです。
見る人に変な認識(使えない筋肉があるということ)を与えないように、技術練習はしっかり行うようにしましょう。

今日も筋トレライフを楽しみましょう。

 

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