科学至上主義者の意見に気をつけよう―メンタリストDaiGoら

最近、ウェブサイトやYouTubeを見ていると、科学至上主義者の方が増えているように思えます。
昔から行われていて成果を上げていることに対して、「論文が…」「エビデンスが…」と言って、「○○は効果がない」とか「△△は辞めるべき」など断定してしまう方々です。
有名どころだと、メンタリストのDaiGoさんがそれに当たると思いますが、非常に危険な考え方なので、取り上げてみたいと思います。
(以下メンタリストDaiGoさんについて述べます)

科学至上主義者の意見に気をつけよう―筋トレ初心者メンタリストDaiGo

まず先にお伝えしておきますが、私は研究結果や論文など「科学」を否定するつもりは毛頭ないです。
心理学だろうが筋トレだろうが、エビデンスのもとに成り立っています。
ですから、論文などで勉強することはとても良いことだと思います。

しかし、科学至上主義者の方は、権威主義でもあることが往々にしてあります
海外の有名な大学や研究機関の論文ばかり(しかもほぼ欧米のもの)を取り上げるのです。
日本よりも海外のほうが上で、有名ではない大学や日本の大学、研究機関を下に見ているのか分かりませんが、やっている行為としてはそう受け取られても仕方がないと思います。
日本や欧米圏以外の大学や研究機関にも素晴らしい論文はたくさんありますし、海外の有名な大学・研究機関だから優れた論文ということもありません。
それに欧米人と日本人では言葉や文化、考え方、食生活などあらゆる点が違うので、海外の研究をそのまま日本に当てはめるのは、科学の世界ではあり得ません。
筋トレならそこまで影響ないかもしれませんが、心理学や栄養学などの分野では、研究対象が日本人か欧米人かの差は大きいと思います。

それに「研究結果が出てきました」と聞けば、普通は「それが最新の研究の結論か」と、そのまま信じてしまいますよね。
しかし、科学の世界では「研究結果が出てきた」という事実だけでは何の意味も持ちません。
研究結果の論文を発表し、それが国際的な機関で評価され、合意がなされなければ科学的に意味のあるものと見なされないのです
そうでなかったら、捏造データですら「科学的」という名のもとに、権力を持つことになってしまいます。

仮に国際的な機関で評価された論文であっても、それで全て科学的に証明…ということはありません。
研究というのは積み重ねです。
1本や2本の論文を引っ張ってきてどうこう言えるものではありません。
さらなる研究を必要とするのが科学で、結論が二転三転するのも科学なのです。

それから科学を持ち出すなら、異なる意見や対立する意見についても述べる必要がありますが、それはほとんど行われていていません
これを怠ると、本人にそのつもりがなくても「自分にとって都合の良い論文を引っ張てきたのではないか」と疑われます。
それに、せめて論文の内容を紹介するだけにしてくれれば良いのですが、拡大解釈のような個人的な見解を多分に盛り込んで述べる点も厄介です。
「科学的」と言いながら、科学とは乖離してしまっています。

こと筋トレに限って言えば、メンタリストのDaiGoさんは初心者です。
筋トレ自体の知識も経験もあまりないのに、いきなり論文に当たって食事制限でちょっと腹筋が割れたくらいのレベルで、「○○は効果ない」だのなんだの、正直不快に感じることもあります。
例えば「腹筋ローラーは意味ない」とおっしゃってましたが、腹筋ローラーで成果を上げている方はたくさんいるわけで、そういう方にとってこの発言は自身のトレーニングを否定されたことになってしまいます。

しかも論文のリサーチ協力している鈴木祐という方も、大学院などで論文を扱った経験はないようです。
プロフィールに「ライター/編集者」とだけ記載があるので、素人に分類されるわけです。
どこまで論文を理解したうえで持論を述べているのか気になります。

メンタリストならメンタリストらしく、心理学について述べていくべきだと思います。
それも論文を取り上げるならきちんと精読したうえで、個人の拡大解釈的見解は述べるべきではありません。
たいして理解もしてないのに専門外の分野にまで口出しをして、批判をされたら「自分より登録者数の少ない雑魚は相手にしない」と言ってましたから(糖質制限の話など)、恐ろしくプライドが高く、間違いを間違いと認識するのも難しい状態なのかもしれませんね。
だとしたら、人間的に成長は望めません。

長くなってしまいましたが、「最新の研究」だとか「科学的」という言葉に惑わされないようにしましょう。
筋トレもエビデンスに基づいていますし、そのエビデンスが二転三転することも珍しくありません。
世には様々なトレーニング方法が存在しますが、どのトレーニング方法も一長一短です。
どんなトレーニングにもメリットとデメリットがあるのは当たり前なのに、「これが最新の研究結果」と言われて否定され、それを信じた人達の選択肢が狭まることは悲しいことです。

かく言う私も、色々なトレーニング方法やダイエットの理論などを紹介していますが、数年後には覆っている可能性もあります。
でもそれが科学なので、それでいいのです。
間違っていたら、それを認めてさらに研鑽を積んでいけば良いだけです。

筋トレに限らず、経験は大切にしてくださいね。
科学は二転三転しますが、経験は揺るがぬ大きな財産となってくれます。

今日も筋トレライフを楽しみましょう。

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