「筋トレしています」という人達の体を見てみると、だいたい胸や腹筋ばかりを鍛えていて、背中の筋肉があまり発達してない人達が多いです。
背中は目で確認しながらトレーニング出来ませんし、日常生活で意識することもありません。
だからとても鍛えるのが難しく、「背中を見ればその人のレベルが分かる」と言うトレーニーもいるほどです。
実際、ボディビルなどのコンテストでも背中の筋肉が勝敗を分けることがあります。
【筋トレ初心者向け】背中のトレーニングメニューの組み方
また、厚い胸板を作る際にも背中の筋肉の発達は欠かせません。
胸だけでなく背中の筋肉も発達することで、厚みのある体になるのです。
胸と背中のバランスが悪いと単純にカッコ悪いですし、肩が前にズレたりパフォーマンスの低下にも繋がります。
「背中のトレーニングは苦手」というトレーニーは多いのですが、是非敬遠せずにチャレンジしてほしいです。
しっかり鍛えていくと、下背部にクリスマスツリーが浮かび上がるようになる。
一言で背中といってもたくさん筋肉があります。
その中でターゲットにしていくべき筋肉は、姿勢を維持するための脊柱起立筋群、肩甲骨を寄せる際に使われる僧帽筋、肩関節を体の前側から腰方向へ動かす際に使われる広背筋です。
脊柱起立筋群と僧帽筋は主に背中の厚みを、広背筋は逆三角形のボディライン(背中の広がり)を形成します。
もちろん他の筋肉も使われてはいきますが、メインはこの3つの筋肉で考えていきましょう。
まず行うべき種目はロウイング種目(引っ張る系種目)です。
膝と股関節を曲げて前傾姿勢をとり、ダンベルを挙げ下げします。
両手で行っても片手ずつ行っても良いですが、片手で行ったほうが動作域を広くとれるので、背中の筋肉を意識しやすいと思います。
ダンベルを持っていないほうの手は台などについて行うことになりますので、両手で行う場合より腰への負担も少なく、腰に不安がある方は片手ずつ行うのがオススメです。
片手ずつ行ったほうがメリットがありそうですが、肩のトレーニングよりも重い物を扱えるうえにボリュームが増えるので、体力的にキツくなり時間もかかります。
メリットとデメリットを考えて、両手で行うか片手ずつ行うか選択すれば良いと思います。
どちらの場合も肩をすくませないように注意しながら肩甲骨を寄せることで、背中の筋肉に効かせることが出来ます。
ワンハンド・ダンベルロウイング
次に行うべきは懸垂(チンニング)です。
なるべく動作域が広くなるようにして、背中の筋肉が大きく動くようにします。
チョコチョコした細かい動きだと、背中の筋肉はとても意識いづらいです。
体を引き上げていく際、肘を脇のほうに引き寄せるようにして、肩甲骨を斜め下に思い切り引き寄せるようにすると、背中の筋肉の動きが大きくなります。
手は握り込まず、親指以外の指をフックのように引っ掛けるようにしてバーを持つと(サムレスグリップ)、腕の筋肉の関与を減らすことが出来、背中の筋肉を意識しやすくなります。
サムレスグリップ
ただ、初心者はぶら下がったところで体を挙げるだけの筋力がない方も多いと思います。
だからまずは、ロウイング種目で背中の筋力を向上させていくのです。
懸垂が出来なくても、脚で地面を蹴ってその勢いで体を引き上げるのも効果的です。
引ききったら、なるべくゆっくりと我慢しながら下ろしていきます。
引き上げるよりも下ろすほうがずっと強い筋力が発揮できるので、自力で引き上げられなくてもゆっくりと下ろすことは出来るはずです。
これを繰り返していけば、少しずつ懸垂が出来るようになると思います。
肩から腰に向かって広がりのあるV字の逆三角形を作るには重要な種目になりますので、ちょっとずつ出来るようにしていきましょう。
次はデッドリフトを行うべきです。
スクワットよりも体の前傾が強いので、股関節の動きが大きくなり、お尻や腿裏などの筋肉がより多く使われます。
背中の筋肉は、動作中に腰が曲がらないようにするために、主に脊柱起立筋が使われます。
腰が曲がらないように耐える、ということで積極的に使われるわけではありませんが、充分大きくなると思います。
むしろ積極的に使おうとすると痛めやすい筋肉です。
あとはフィニッシュで肩甲骨を寄せるので、僧帽筋にも刺激が入ります。
背中の種目全般に言えることですが、肩をすくめないようにして肩甲骨を寄せることがポイントです。
ダンベル・デッドリフト
あとはウェイトを持ち上げる時に腹筋に力を入れ、息を強く吐きながら行いましょう。
そうすることで、重さに負けて腰が曲がるリスクを軽減させることが出来ます。
と同時に、体幹部には相当な負荷がかかりますので、あえて体幹トレーニングを行う必要はないと思います。
脊柱起立筋群は、木でいうところの幹にあたりますので、この部分がしっかり鍛えられていないとどうしても貧弱な背中に見えてしまいます。
脊柱起立筋群が鍛えられると、腰痛の予防にも効果的なので、無理のない範囲でしっかり鍛えていきましょう。
家でも出来る背中の種目はそれほど多くはありません。
懸垂のグリップを順手にしたり逆手にしたり、手幅を変えたり、ダンベル種目は10回で限界になる重さに縛られず、5~6回で限界になる回数にしたり20回以上行ったりと、工夫して変化を与えることが大切です。
幸い、背中のトレーニングでは多少無茶しても怪我をしにくいです。
胸のトレーニングだと、胸を張って肩甲骨を寄せて行わないとすぐ肩を痛めてしまったりしますが、背中の種目(特に懸垂)では多少間違ったフォームでも筋肉に効くか効かないかくらいの違いです。
デッドリフトで無理をして腰を痛めることにさえ気をつければ、そんなには怪我の心配はいりません。
背中の種目は効いてる感じが得られにくいものです。
胸のトレーニングよりもセット数は多いほうが、背中の筋肉を動かす感覚を得るのを早くするためにも良いでしょう。
私も一時期、胸のトレーニングより倍近くこなしていました。
その結果、背中の筋肉の成長が加速しました。
今でも背中のトレーニングは、上半身の中では一番時間がかかります。
鍛えるのが中々手強い部位ですが、鍛えると見た目が変わりやすい部位でもあります。
気長にチャレンジしていきましょう。
今日も筋トレライフを楽しみましょう。
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