【筋トレ初心者】デッドリフトの基本の基本

以前の記事でスクワットの基本について書きました(⇒参照記事)。
今回はBIG3の一つであるデッドリフトの基本について解説していきたいと思います。


【筋トレ初心者】デッドリフトの基本の基本

スクワットとデッドリフトの大きな違いは、「バーを担いでしゃがむところからがスタート」「静止しているバーを握って起き上がるところからがスタート」かという点です。
BIG3ではベンチプレスもスクワットも、バーを下ろすところから始めますが、デッドリフトだけは持ち上げるところから始めます。
そういった意味では少し特殊な種目となります。

デッドリフトは床に置かれたバーベルを腰の高さまで持ち上げる種目。

筋肉には筋伸張反射といって、骨格筋が急激に引き伸ばされると(ストレッチされると)その筋が収縮する現象が起こります。
脳を通さず、考えることなく起こる脊髄反射の一つです。
この性質を利用することにより、強い力を発揮することが出来ます。
例えばスクワットなら、ボトムでうまくバウンドするように切り返すと、筋肉が急激に引き伸ばされ収縮しようとする力が働くため、力強く挙げることが出来ます。
逆にボトムで静止してから挙げようとすると、伸張反射が起きないため高重量を扱うのが難しくなります。

スクワットではボトムでバウンドするように切り返すことで、伸張反射が使え、強い力を発揮できる。

デッドリフトの場合、静止しているところがスタートとなりますので、伸張反射は使えません。
スポーツなどで強い筋力発揮をするには、筋伸張反射は大事な要素となりますので、筋力トレーニングをスポーツなどに活かすという点で言うなら、デッドリフトよりもスクワットのほうが良いでしょう。
しかし、デッドリフトは臀部やハムストリングス、脊柱起立筋群、広背筋や僧帽筋など、背部のほとんどの筋肉に負荷をかけることの出来る優れた種目です。
スクワットだと大腿四頭筋や臀部へ負荷が集中しやすいので、スクワットとデッドリフトを両方行うことで、かなりバランス良く鍛えられます。
スクワットをやったうえでデッドリフトも行うなら、スポーツにしろボディメイクにしろかなり有用です。

背面のほとんどの筋肉を鍛えることが出来るため、良い姿勢になることにも貢献する。

筋トレをするうえで重要な動きである股関節を支点として身体を曲げ伸ばしする動作ヒップヒンジと言います)は、デッドリフト以外だとグッドモーニング・エクササイズヒップスラストがそれにあたりますが、デッドリフトをやり込んでおけば特にグッドモーニング・エクササイズやヒップスラストを取り入れる必要はないでしょう。
それくらい基本的かつ重要で優秀な種目なのです。

グッドモーニング・エクササイズ。ハムストリングスなど背面の強化に適しているが、初心者はやはり基本的な種目であるデッドリフトのほうがとっつきやすい。

特に脊柱起立筋群を鍛える種目としては最強と言って良いと思います。
脊柱起立筋群が鍛えられると、木でいうところの幹の部分がしっかりとしますので、厚みが増し、力強い背中を作り上げるのに貢献します。
私もデッドリフトを行うようになってから明らかに背中の厚みが増し、ボコボコした背中になりました。
メインで鍛えられる筋肉は臀部やハムストリングスですが、背中を鍛えるうえでも有用な種目です。

脊柱起立筋群の強化にはバックエクステンションも有効だが、起立筋は高負荷で積極的に動かそうとすると痛めやすい筋肉。やるなら高回数だが、負荷の調整が難しい面もある。デッドリフトなら筋肉を動かすというよりも「姿勢の保持のため耐える」という負荷になるが、それでも充分に強く太くなり、負荷の調節もしやすい。

デッドリフトにも足の幅によって種類があります。
だいたい腰くらいの足幅で行うものをナロー・デッドリフト、足を広く開いて行うこのをワイド・デッドリフトと言います。
ワイドのものはお相撲さんのような足の形になることからスモウ・スタイルなどと呼ばれることもあります。
スクワットと同様、どこからどこまでがワイドとかナローとか、明確な基準はありません。
特にワイドは足幅は人それぞれで、目一杯足を開く方もいればスクワットと同じくらいの足幅の方もいます。

ワイドはお相撲さんの四股のような足の形になる。

ナローだとメインで鍛えられるのは、臀部やハムストリングス、脊柱起立筋群、広背筋や僧帽筋になります。
ワイドはナローに比べて上体を立てて行うため、ハムストリングスや背中への負荷が減り、内転筋や大腿四頭筋への負荷が増えます。
ワイドで行うと可動域が短くなるため(引き上げる距離が短くなる)、一般的にはワイドのほうが高重量が扱えます。
よってボディメイクや背面の筋力強化が目的なら圧倒的にナローのうほうが効率が良く、高重量を扱うのが目的ならワイドのほうが良いということになります。
目的に応じてナローにするかワイドにするか選択しましょう。
ただし、ハムストリングスや背中の筋力が強い方は、ワイドよりもナローのほうが高重量が扱える場合もありますので、「高重量ならワイド」とは一概には言えません。
あくまで「一般的」な話であることを忘れないようにしてください。

可動域を短くしようとして脚を広げ過ぎると、力が入りづらくなるので注意。

ワイドの注意点としては、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、使われる筋肉がスクワットとだいぶ被ります。
スクワットのフォームに近づくので当たり前と言えば当たり前ですが、ボディメイク目的でやるならスクワットとワイドのデッドリフトを両方やる必要はありません。
ナローで行うからこそスクワットと違う筋肉が鍛えられるので、デッドリフトを行う意味があるのです。
大腿四頭筋や内転筋を強化したいなら、伸張反射を使えるスクワットのほうが有益だと思います。
ボディメイク目的で筋トレをやっているのに、「高重量を挙げて見栄を張りたい」「承認欲求を満たしたい」という理由でワイド・デッドリフトをやるのは、全くオススメ出来ません。

ワイドにするとかなりスクワットに近いフォームになることが分かる。ナローに比べて上体も立つため、背部への負担が減る。ワイドでナローと同じくらい上体を前傾させるのはNGではないが、ワイドでやるメリットが減ってしまう。

しかも技術的にはナローのほうが修得しやすいです。
パワー・リフティングの試合に出ることなどを想定していないなら、初心者には断然ナローをオススメします。
ワイドだどスクワットの深くしゃがんだ位置からスタートするような格好になりますので、最初は中々力を入れづらく、足幅を試行錯誤したりと、フォーム修得に時間がかかることでしょう。
それにワイドのデッドリフトでも背部の筋肉を全く使わないわけではないので、背部の筋力強化のための補助種目としてナローを行う方は沢山います。
パワー・リフティングの試合を目指している方でも、ナローが出来たほうが良いのは間違いありません。

スクワットのボトム付近のような格好から力強く引き上げるのは、最初は難しい。足で床を押す感覚や股関節の使い方を身につけるには少々時間がかかる。

足幅以外にも種類があって、膝くらいの高さから行うトップサイド・デッドリフトというものがあります。
海外ではハーフ・デッドリフト、もしくはラック・プルと呼ばれています。
可動域を短くしたパーシャル(部分的な、という意味)なデッドリフトで、スクワットいうところのクォーターとかハーフ・スクワットにあたります。
可動域が短いので高重量が扱えますが、筋肉の仕事量が減るので負荷も落ちます。
お尻やハムストリングスなどの負荷が減るので、下半身を鍛えたい方にはオススメはしませんが、広背筋や僧帽筋などを鍛えたい方は取り入れても良いと思います。
仕事量が落ちますので、やるならそれなりの高重量である程度のレップ数を行わないと意味がありません。
床から引くデッドリフト(床引きデッドリフトと言います)と同程度の重量で同じレップ数ではあまり効果は期待出来ないので、低回数よりかはある程度のハイレップを目指して行うべきです。

セーフティ・バーを膝くらいの高さにセットし、バーベルがセーフティ・バーに軽く触れたら引き上げる。かなりの高重量が扱えるが、効かせるのは難しく、中・上級者向けと言える。

膝の辺りから引くため、体がある程度は起き上がった状態からスタートするので、脊柱起立筋群への負荷も弱くなってしまいます。
床から引ける環境で背面全体を鍛える目的なら、床引きデッドリフトをやったほうが効果は高いと思います。
特にBIG3を強くしたい方は、わざわざ取り入れる必要はありません。
筋トレ初心者も、全身の基礎的な筋力を鍛えるという意味では、床引きデッドリフトのほうがメリットを受けやすいと思います。

背面全体を鍛えるなら、オーソドックスなナローのデッドリフトがオススメ。

膝をあまり曲げないルーマニアン・デッドリフト、膝を完全に伸ばした状態で行うスティッフレッグド・デッドリフトというものもあります。
スティッフレッグド・デッドリフトは、人によっては僅かに膝を曲げると言う人もいますので、ルーマニアン・デッドリフトと明確な区別はないように思います。
どちらも通常のデッドリフトに比べて膝の関与が減るので、大腿四頭筋への負荷が弱くなり、ハムストリングスへの負荷が強くなります。
使われる筋肉が減るので扱える重量は落ちますが、ハムストリングスをしっかりストレッチすることが出来、ハムストリングス強化としては優秀な種目です。

ルーマニアン・デッドリフト。柔軟性に問題がないなら、床にプレートが着くギリギリまで下ろすことで、ハムストリングスがストレッチされてトレーニング効果が高くなる。

スクワットばかりをやっていると、どうしても大腿四頭筋へ負荷が集中してしまいがちなので、ハムストリングスの強化をしたい方は取り入れると良いと思います。
膝の伸ばし具合のどこからどこまでが通常のデッドリフトで、どこからどこまでがルーマニアン・デッドリフトなのかという明確な基準はないので、やる時は自身でハッキリと区別して行うのが大切です。
レップを重ねて疲れてきて、段々と膝の曲がりが強くなって通常のデッドリフトのフォームに近づく…ということがないように気を付けましょう。

力強いハムストリングスを得る目的のほか、デッドリフトの補助種目として取り入れることもオススメ。

どの種類のデッドリフトを行う際も、2レップ目以降に床でプレートをバウンドさせないようにするのも大事です。
やはり床から引き上げる最初の瞬間が一番キツいので、床でバウンドさせてしまうと一番辛い箇所を楽にこなせてしまうので、トレーニング効果が下がってしまいます。
2レップ目以降も完全に床に置いてから行うか、ゆっくり下ろしてプレートが床に軽くチョンと触れたくらいのところで切り返すようにしましょう。

最初は一回一回、床に置いたほうがやりやすい。そこまで握力を気にする必要がなくなるうえ、細かい点まで意識しながら毎回1レップ目のつもりで回数を重ねられる。

今回はデッドリフトの基本についてお話しました。
BIG3の一つで基本的かつ重要で優秀な種目です。
うまく取り入れれば、効率よく力強い身体、カッコいい身体を手に入れることに貢献することと思います。

今日も筋トレライフを楽しみましょう。

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